2009 Fiscal Year Annual Research Report
電気機器省エネルギー設計への応用へ向けた高速高精度電磁界数値解析技術の実用化研究
Project/Area Number |
20560280
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
若尾 真治 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70257210)
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Keywords | 電磁界解析 / 電気機器設計 / 有限要素法 / 積層鉄心 / 応答曲面法 |
Research Abstract |
近年、積層鉄心の微細構造の詳細なモデルリングに代表されるように、設計対象や解析対象がますます複雑化しており、計算時間のさらなる短縮化が要求されている状況にある。このような背景のもと、本年度は以下の2項目を実施した。(1)応答曲面法による機器設計の高速化:数値解析に基づく機器の最適化設計のプロセスには多くの反復計算が含まれるため、計算コストの増大は本質的な課題として常に残っている。この計算コストを削減するための一方策として、回帰モデルに対して打ち切りべき乗スプライン関数を導入した高精度な応答曲面作成手法を検討した。開発手法により、空間全体を同一の簡便な多項式で近似する従来の方式に比べ、複雑な電磁界現象に対しても実用上十分な精度で近似曲面を生成することが可能となり、具体的な3次元実機モデル設計に開発手法を適用し、その有用性を実証した。(2)時間周期有限要素法とEEC法に基づく誤差補正法による非線形過渡電磁界解析時の逐次積分の収束性改善:積層鉄心の非線形性を考慮した過渡解析を行うためには、各種時間積分法を用いた時間方向の逐次的な計算が必要になる。しかし、時定数が大きい問題では誤差の直流成分などの減衰が遅く、定常解を得るまでに膨大なステップ数を要する。したがって、電気機器省エネルギー設計へ向けて電磁界数値解析の実用化をさらに促進するためには、連立一次方程式やニュートン・ラフソン法の高速化に加えて、過渡解析における収束性改善手法の開発が不可欠である。そこで本年度は、時間周期有限要素法の考え方をもとに、時定数が大きい誤差成分を含むような過渡解析の収束性向上を目的とした新たな誤差補正法の開発を行った。具体的な3時限検証モデルを例題に取り上げ、開発手法は、初期値の選び方によらずほぼ同程度の収束性改善効果を示し,初期値に対してロバストな方法であることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)