2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560286
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
今川 信作 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10232604)
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Keywords | 超伝導マグネット / 電気絶縁 / クエンチ保護 |
Research Abstract |
常温においてステンレス鋼の100倍以上の電気抵抗を有する半導体および複合材料の調査を行い,候補材料として,TiC添加Al_2O_3,SiC,ZrO_2添加NbC,ZrO_2添加WCおよびC入りエポキシ樹脂をを選定した。柱状の試料を製作して常温から液体窒素温度の範囲での電気抵抗測定を行ったが,試料と測定子との接触抵抗の低減に課題が残った。これらの試料には半田付けが困難であるため,試行錯誤の結果,今年度においては,薄いインジューム板を挟んで銅製端子を端部に押し付ける方式により電気抵抗を測定した。試料を液体窒素から取り出して自然昇温の過程で中間温度の電気抵抗を測定した。接触抵抗の低減については,さらなる検討が必要である。 並行して,これまでの研究で考案した強度部材を保護抵抗とする超伝導マグネットの概念設計を進展させながら,列間抵抗をヒーターとして利用したクエンチバックによるクエンチ保護の原理実証のためのコイル試験体の設計を行った。励磁速度が同じ場合に,励磁時の列間短絡電流による発熱は1ターンのインダクタンスの二乗に比例し,列間抵抗に反比例する。列間抵抗は列間の面積に反比例するため,大型コイルを模擬するためには,コイル試験体の列間抵抗率を小さくしておく必要がある。また,クエンチバックの原理実証を行うためには,磁気エネルギーに対する熱容量を小さくしておく必要があることから,コイル電流密度を高くすると同時にできるだけインダクタンスを大きくする方針で,コイル試験体の設計を進めた。
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