2008 Fiscal Year Annual Research Report
単電子デバイスのための積層量子ナノディスク構造の精密作製と量子特性制御
Project/Area Number |
20560288
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 智広 Tohoku University, 流体科学研究所, 助教 (70322683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 誠二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30323108)
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Keywords | ナノディスク / 量子ドット / 中性粒子ビーム / 積層ナノディスク / X線光電子分光法 / バイオナノプロセス / 原子間力顕微鏡 / 量子井戸 |
Research Abstract |
積層ナノディスク構造の作製を行った。まず、シリコン基板上にSiO2層とpoly-Si層を交互に積層した。このとき、SiO2層の作製方法としては中性粒子ビーム酸化を用いた。次に基板表面にフェリティン分子を配置し、熱処理によりフェリティン分子のタンパク質部分のみを除去して内部の鉄コアを残した。NF3ガス雰囲気中で水素ラジカルを表面に照射し(NF3処理)、表面の酸化膜を除去した。また、塩素中性粒子ビームを照射することにより、poly-Si層のエッチング(中性粒子ビームエッチング、NBE)を行った。NF3処理とNBEを交互に行うことで積層構造のエッチングを行った。このとき、X線光電子分光(XPS)によりシリコン表面の酸化状態を調べることで、エッチングの進行を確認することができた。最初のNF3処理の時間を変えることで、酸化膜のエッチングの進行を制御し、その結果、ナノディスクの直径を制御することができた。導電性探針を用いた原子間力顕微鏡(AFM)x観察により、単一積層ナノディスクの電気特性の測定を試みた。一層ナノディスクの場合と同様、階段状の電流-電圧特性が得られ、ナノディスクが量子ドットとして機能していることが確認できた。また、その階段幅は理論から予想される値とほぼ等しいことが分かった。さらに、積層ナノディスクの直径を変えた場合、階段幅はほぼ変化しないことが分かった。これは、一層ナノディスクの場合と同じ結果であり、ナノディスク内部では電子が厚さ方向に閉じ込められた量子井戸的な振る舞いをしていることを示唆している。
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Research Products
(2 results)