2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560289
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
古神 義則 Utsunomiya University, 工学研究科, 准教授 (10260473)
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Keywords | ミリ波 / 回路基板材料 / 複素誘電率 / 表面抵抗 / 誘電体共振器法 / ウイスパリングギャラリモード |
Research Abstract |
まず,近似変数分離法および実効誘電率法といった近似解法を用い,WGモード誘電体円板共振器の共振電磁界解析を行った.近似変数分離法では,銅張りがない場合およびある場合双方の電磁界解析を行い,実験結果及び電磁界シミュレータにより計算結果との比較をおこない,共振周波数を約2%の精度で,無負荷Qを約5%程度の精度で解析可能であることを示した.この解析結果を適用し,試料の誘電体部分の比誘電率、誘電正接および銅貼り部分の導電率の測定用プログラムを完成させた. 一方で、円板試料および励振用線路の位置調整機能を有するミリ波基板測定用装置の基本部分を完成させた。励振用線路として,従来の誘電体線路を用いる方式と,金属導波管内に誘電体テーパストリップを挿入した線路を用いる方式を比較検討した.今回新たに導入した金属導波管を用いる方法では,線路位置により位相定数が変化することを利用し,測定周波数に応じて励振位置を変えることにより,広帯域において結合を適切に調整できる可能性が示されたが,金属部による共振電磁界のじょう乱が,殊の外大きく,Q値の測定値が劣化し誘電性説の測定において大きな誤差を発生させることが分かった.共振電磁界に対する影響が少ない同種の励振線路を引き続き検討する予定である.実際に数種類の銅貼り基板を用意し、第一次近似としての比誘電率値、誘電正接値および銅薄膜の表裏面の導電率・表面抵抗値を得た。なお,WGモード共振特性測定ソフトウェアを開発し,測定能率の向上を図った. 今年度得られた測定結果は,提案法により銅貼り誘電体基板の評価が可能であるとの見通しをもたらした.
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