2008 Fiscal Year Annual Research Report
光照射エッチングによる平坦、大面積多孔質シリコン膜の作製とデバイスへの応用
Project/Area Number |
20560290
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
安達 定雄 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (10202631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊博 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90451715)
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Keywords | 多孔質 / 陽極化成 / 光エッチング / 蛍光体 / LED / ポーラス |
Research Abstract |
研究初年度は、種々の酸化剤を添加したフッ酸水溶液に対するSiのエッチング過程を調べた。その結果、ヨウ素やKIO3などの酸化剤を添加したフッ酸水溶液による光エッチングで橙色発光するポーラスSiの作製が可能なのに対し、過マンガン酸塩を添加することで、SiからK2SiF6:Mn4+やNa2SiF6:Mn4+などの赤色蛍光体が合成されるという意外な発見をした。 今回発見した赤色蛍光体の社会的意義として、従来の高温高圧による熱融解法とは全く異なり、「化学反応合成」という非常に簡便な手段で蛍光体の合成が可能になったことにある。本赤色蛍光体の特徴として、高性能蛍光体が極めて安価に合成可能になったことが上げられる。具体的特徴として、外部量子効率が極めて高く(約40%)、青色LED励起で最大の赤色発光強度、高温での消光が無く、かつ「希土類元素フリー」が上げられる。青色LEDで強く発光する赤色蛍光体は、将来の環境・気候変動を懸念し「2008北海道洞爺湖サミット」で議論されたCO2削減案件(2050年までCO2排出50%削減がG8諸国の長期目標)の達成を左右しかねない重要なものである(注:全電力に占める照明用途の割合は世界平均の約20%であり、高効率証明としての白色LED実現には、赤色蛍光体が不可欠)。世界中が中国依存の希土類を含まない蛍光体であることも、大きな魅力である。 現在、本研究で発見された赤色蛍光体の物性測定を行なっており、これと並行して(i)極めて平坦な表面を有するポーラスSiの実現と膜質のコントロール、(ii)光照射による大面積かつ均一な膜質分布を有するポーラスSiの作製の研究を進めている。将来的には、青や紫外発光の多孔質Siと赤色蛍光体との複合発光デバイスの開発も見据えている。
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Research Products
(14 results)