2009 Fiscal Year Annual Research Report
光照射エッチングによる平坦、大面積多孔質シリコン膜の作製とデバイスへの応用
Project/Area Number |
20560290
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
安達 定雄 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (10202631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊博 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90451715)
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Keywords | 多孔質Si / 陽極化成 / 光エッチング / 蛍光体 / LED / ポーラス |
Research Abstract |
研究2年目は、主に以下の3つの研究項目を目標に研究を進めた。1.多孔質Siからの発光の短波長化、2.多孔質Siの光照射効果、3.大面積多孔質Siの開発過程で発見した赤色蛍光体の可能性の追求。これまで報告されている陽極化成や光照射で作製した多孔質Siの発光のほぼ全てが赤色発光である。そこで、1.では、この波長の限界を打破すべく研究を進め、HF/MnO_2混合液により波長約540nmの緑色発光する多孔質Siの作製に成功した。現在の可視発光する多孔質Siの最大の欠点は、経時不安定性にある。すなわち、発光強度が時間の経過、特に光照射しながらの経時に対して、発光強度が減少することにある。そこで2.の項目に関して、今回紫外線照射しながら多孔質Siからの発光強度の時間進展変化を測定することによって、光酸化過程と発光強度の相関を明らかにすることができた。3.の赤色蛍光体に関しては、蛍光体材料をSiだけでなくGeにも拡張し、Siベース蛍光体のK_2SiF_6:Mn^<4+>と同等の発光効率を有する蛍光体(K_2GeF_6:Mn^<4+>)の作製に成功した。さらに、Si蛍光体の作製では、これまで単結晶Si基板を使用していたが、今回、全く同じ手法を用いて、ガラス板や石ころ(珪石)からの蛍光体の作製にも成功した。 上記研究成果の意義と重要性についで述べると、1.に関しては緑色発光の実現で、光の三原色の残りの青色の開発が可能となれば、純粋な多孔質Siのみでの白色発光デバイスの実現に一歩近づくことになる。2.に関しては、多孔質Siの発光特性劣化の対策に光明を見出したと言える。最後の3.については、青色光で励起可能な「希土類元素フリー」の白色LEDへの貢献が期待される。実際、欧州の有名な電機メーカも我々の研究成果に注目している。
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