2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板上への有機薄膜/半導体量子ドットの作製とその高効率 太陽電池への応用
Project/Area Number |
20560291
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山口 浩一 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (40191225)
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Keywords | 量子ドッド / 太陽電池 / 分子線エピタキシー / InAs / GaAs |
Research Abstract |
本年度は、Ge(001)基板上へのGaAsバッファ層とその上のInAs量子ドットの分子線エピタキシー(MBE)について検討を行った結果、以下の研究成果を得ることができた。 1.Ge基板表面の処理法として、新たに超音波印加法を提案し、フッ化水素系溶液によるエッチング処理を検討した。超音波の周波数と印加時間を変化させた結果、平坦性の高いGe表面を得るエッチング条件を見出した。 2.1.の超音波表面処理法とMBEチャンバー内での熱処理法を施し、GaAsバッファ層成長を行った結果、昨年度よりも表面モフォロジーの良好なGaAsバッファ層を得ることができた。また、GaAs/Ge界面付近にSbを導入することで、Ge原子のGaAsバッファ層へのオートドーピングを抑制することができた。 3.GaAsバッファ層表面上にSb照射を施し、ドット密度7x10^<10>cm^<-2>の高密度InAs量子ドットの自己形成を実現した。Sb導入法では、ドット同士のコアレッセンス(合体)を抑制できるため、良質な結晶性を維持することが可能となり、高い発光強度を観測した。 4.GaAs基板上ではあるが、Sb導入InAs量子ドットの成長において、さらなる高密度化を検討し、ドット密度4x10^<11>cm^<-2>の超高密度化を実現した。この超高密度ドットによる面内量子ドット超格子構造の検討を進め、ミニバンドの形成を観測した。本構造は、量子ドット超格子を用いた中間バンド型太陽電池への応用も期待される。 以上の研究成果を基にして、Ge基板(またはGe/Si基板)上への高密度InAs量子ドット構造をさらに有機薄膜でキャッピングすることについて検討を進める予定である。
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