2010 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板上への有機薄膜/半導体量子ドットの作製とその高効率太陽電池への応用
Project/Area Number |
20560291
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山口 浩一 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (40191225)
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Keywords | 量子ドット / 太陽電池 / 分子線エピタキシー / InAs / GaAs / Ge / Sb |
Research Abstract |
平成22年度は、主に以下の研究成果を得た。 <1>Si基板上へのIII-V族半導体/GeのMBE成長を検討するために、Ge基板上へのGeバッファ層のMBE成長条件について検討した。成長前のGe基板表面処理には超音波中でのHF系溶液によるエッチング処理を施し、その上に良質なGe膜のlayer-by-layer成長を実現した。成長表面には単原子ステップ構造が明瞭に観察され、Ge薄膜成長における高い制御性を得ることができた。 <2>Ge膜上へのGaAs層の成長では、約0.2%の僅かな格子不整合のためにGaAs厚膜の表面は波状になり平坦性が悪い。そこでGe層上へのInGaAs(In組成0.01)バッファ層の導入を検討した結果、平坦性を改善することができた。また同In供給条件での低成長速度におけるInAs量子ドット成長では低密度化が起こるため、InAs成長前のSb照射法の導入により高密度化を実現した。 <3>GaAs pn接合層内に高密度InAs量子ドットを3層導入した太陽電池構造を試作した。 量子ドット層のないGaAsセルと比較して短絡電流は約6%増大したが、開放端電圧は約30%低下した。900~1200nm帯の量子ドット層における光吸収特性の向上が確認された。 <4>InAs量子ドットと有機薄膜の界面特性の評価として、フォトポリマーをInAs量子ドット上にスピンコートし、量子ドットからの発光特性を調べた。コーティングのないものに比べて発光強度は低下するが、表面保護膜としての効果もあり、比較的安定な特性を得ることができた。
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