2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代デバイス評価のための不純物分布計測技術の開発
Project/Area Number |
20560296
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 成泰 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 准教授 (70217032)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 電子線誘起電流 / 半導体 / PN接合 |
Research Abstract |
電子線誘起電流法(EBIC)は、通常、走査電子顕微鏡(SEM)と組み合わせて半導体の接合の観察に利用される。しかし試料中での電子ビームの広がりのため、高い空間分解能は期待出来ない。走査型透過電子顕微鏡(STEM)とEBICを組み合わせたSTEM-EBIC法においては、試料の厚さを薄くすることで電子ビームの広がりと少数キャリアの拡散によるボケを抑え高い空間分解能での観察が期待出来る。しかし膜厚を薄くすると、EBIC信号強度が弱くなり電子顕微鏡本体やポンプなど周辺機器からの様々なノイズが相対的に大きくなるため、EBIC信号の検出が実際上は難しくなる。そこで本研究では、電子ビームをパルス的に試料に照射し、EBIC電流を同期検出する方法を提案している。今年度はこのためのシステムとして一番重要な電子ビームをパルス照射するためのシステムを構築した。電子ビームのパルス化は、平行平板電極と絞りにより行った。パルス電圧を平行平板電極に印加することで電子ビームは周期的に偏向されるが、絞り穴の位置に来たときだけ電子ビームが透過するように絞りを設置することでパルス電子ビームが得られる。今年度は、平行平板電極と絞りを設計・製作し、現有のSTEMに組み込んだ。また、STEMの1画素の走査時間と比べ短い時間間隔のパルス電子ビームが得られること、さらに電子ビームパルス化のための偏向が、STEMのビーム走査に影響を与えないこと、すなわち像に影響を与えないことも確認した。今後は、EBIC電流の検出・画像化のためのシステムを整備し、テスト試料を用いて本システムが設計通り機能することを確認する。
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