2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代デバイス評価のための不純物分布計測技術の開発
Project/Area Number |
20560296
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 成泰 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (70217032)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 電子線誘起電流 / 半導体 / p-n接合 |
Research Abstract |
半導体デバイスは微細化、高密度化の技術開発が進められるが、加工技術のカウンターパートとなる評価技術においては加工技術より1桁高い精度が要求される。各種評価技術の中でも最も切望されているものの一つがナノスケール分解能での半導体内の不純物分布を定量的に評価する技術である。本研究では、電子線誘起電流法(EBIC)と走査型透過電子顕微鏡(STEM)を組み合わせて、半導体内の不純物分布のナノスケール分解能を有する評価技法の開発を目指している。 薄片化したシリコンpn接合試料を用いたSTEM-EBICの実験では、予想される通り、試料厚みが薄くなると拡散の効果が抑えられ、空乏層に対応するEBIC信号の幅が狭くなった。しかし、試料厚みが0.1μm程度以下になるとEBIC信号が急激に弱くなり、実際上信号の計測が出来なくなってしまった。STEM像からは試料の厚みの急激な変化は見られず、単純な厚みの効果ではない。これを詳細に調べるためにEBIC電流のシミュレーションを行った。解析の結果、試料表面の空乏化が原因として考えられた。 pn接合試料の表面にショットキー接触を設けた構造についてシミュレーションによる検討を行った。この構造では、EBIC電流の極性が接合界面で変わること、EBIC電流の大きさが不純物濃度と簡単な関係にあり、電流からその場所の不純物濃度が推定できること、ボケ量は厚みで決まり構造と畳み込み積分で表されることなどが分かった。さらにボケたEBIC像をコンピュータ上で作りデコンボリューション処理をして元の構造の復元を試みた。その結果、分解能10nm以下で構造が再現できることが分かった。このようにこの方法は不純物分布の定量評価法として可能性があり、より詳細な検討が必要である。
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Research Products
(3 results)