2009 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体のメモリ保持特性を利用した振動型MEMS構造体の不揮発的共振制御
Project/Area Number |
20560299
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 馨 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (40263230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 孝之 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (50336830)
野田 実 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20294168)
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Keywords | 圧電体 / 強誘電体 / 分極 / MEMS / 共振 |
Research Abstract |
本研究では、共振型MEMS構造体において、圧電体による電気・機械結合を通してその共振周波数を制御する方法を提案する。本年度は特に圧電ダイアフラム構造体において、電極構造の変化による周波数の制御性に着目した。逆圧電効果を利用して振動型アクチュエータを構成する場合は、ダイアフラム全面に電極が設置されている状態が最も効率が良いが、振動歪みから圧電効果により信号を取り出すセンサとしての用途の場合は、振動時の面内歪みの位相分布を考慮した電極配置にする必要がある。特に振動面全体に電極を配置するとセンサとしての感度が低下し、最悪の場合出力が得られなくなる恐れがある。このことから上部電極を分割して、センサとしての出力を取り出す電極は歪み振動の符号が一定である領域以内に収めるようにし、その外側を逆圧電効果用の電極とした。このように電極を分割したダイアフラム構造に対して、外側電極への電圧印加時の共振周波数変化を調べた。ここで、内側電極の大きさが前期定符号領域を超えない範囲内で電極サイズを変えたサンプルを作製し、周波数変化を測定した。その結果、電圧印加時の共振周波数は外側の応力印加電極の面積増加に応じて単調に上昇したが、電圧非印加時の共振周波数が電極面積に対して一様でない変化を生じ、見かけ上単位電圧当たりの周波数変化率が特定の電極面積でピークを持つ特性となった。本結果については引き続き調査を進める必要があり、応力印加電極を複数に分割して、同一構造のセンサにおいて応力発生面積を変えた実験を行いたい。一方、複数のダイアフラムを組み合わせてアレイセンサを構成する際、共振周波数変化量が十分大きければ、共振周波数を動的に変化させることによりアレイセンサの新たな指向性を合成できる可能性が示唆された。本件についてもデバイス応用の面で引き続き研究を進めたい。
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