2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマニウムベース高移動度トランジスタのための表面修飾と絶縁体/界面改善
Project/Area Number |
20560300
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金島 岳 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (30283732)
|
Keywords | Ge / 分子軌道計算 / 表面・界面物性 / High-k / 表面反応 / 表面処理 / HCl |
Research Abstract |
量子化学計算を行うためには、対象となるGeのモデルを構築する必要がある。計算精度を上げるためにはできるだけ大きなクラスターが必要であるが、多くの構造を計算するため1日程度で計算を終了できるサイズを目安としGe原子100個程度からなるクラスターを構築した。また計算のモデルに合わせて2次元の周期境界条件を設定した。次に、Geクラスター表面に網羅的に多種の原子を反応させ安定構造を計算した。この結果、Siと異なりGe表面はHにより安定化できず、Fは表面のGe原子との結合が非常に強く、さらに。CやBも比較的表面を安定化ことがわかった。これらの結果より、F表面処理は非常に有効であることが分かった。また、Bによる安定化の可能性も示せた。そこで、次に溶液処理などによりFやB表面修飾が出来ないか調べた。しかし、Bを含む溶液でエッチングしても、表面にBを吸着させることが出来なかった。溶液処理をさらに進めるために、ハロゲン族についてその結合を調べた。その結果Fが最も強く、界面準位の低減化に有効であると考えられるが、ClもHより結合が強く界面準位低減の可能性が計算から分かった。さらに、電子親和力はClがFよりも大きいため、溶液処理による表面修飾の可能性が考えられたため、Ge表面をHClに浸漬することで表面処理をおこないその後光MOCVDによりHfO_2薄膜を堆積し界面状態を調べた。その結果、界面準位が処理をしていないものよりも小さくなり、さらにリーク電流も低減することが分かり、簡便な溶液処理により界面特性を向上させることが出来た。
|
Research Products
(4 results)