2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560301
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
畑山 智亮 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 助教 (90304162)
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Keywords | 炭化珪素 / シリコンカーバイド / 転位 / エッチング / 半導体 |
Research Abstract |
シリコンカーバイド(炭化珪素,SiC)はSiの限界を超える次世代パワー半導体として期待されており、電力や自動車の省エネルギーを目的として活発に開発が行われている。通常供給されるSiCウエーハには転位が1平方センチあたり10,000ヶ以上存在して電子デバイスの実用化が阻まれ、デバイス設計に必要な正確なSiCの基礎電子物性も明らかではない。これら課題の解決には転位密度ゼロ目指すことが本質的に重要であることを申請者は痛感している。本研究は、これまでの研究成果を活用・発展させて無転位SiCの結晶成長を行うことである。この年度では、(1)熱エッチングを使った表面改質を行い、(2)結晶欠陥、特に転位だけを選択的にあらわにし、(3)その部分の再成長を実施した。SiCはデバイスで最も重要な{0001}面を重点的に行う。本手法では一般的なフォトリソグラフを使った選択成長とは大きく異なり、欠陥領域だけをエッチングして選択成長するので、大幅な欠陥の低減が期待できる 熱エッチングによるSiC転位の位置を可視化した。申請書の方法ではアルカリ元素を使わないため、清浄なエッチング面を得るだけでなく、高濃度の不純物があっても転位の種類を明確に判別できた。エッチピット面は転位の種類依存することを初めて見出し、それらは結晶学的に安定な面であることを明らかにした。 転位を可視化したエッチング表面に化学的気相堆積(CVD)法を用いてSiCをエピタキシャル成長した。成長前後の結晶欠陥をカソードルミネッセンス法と電子線起電流法を併用して解析した結果、基底面転位は貫通転位に転換されていることが判明した。その転換率はオフ角度に依存している傾向が見られた。
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Research Products
(3 results)