2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560301
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
畑山 智亮 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (90304162)
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Keywords | 炭化ケイ素 / シリコンカーバイド / 転位 / エッチング / 半導体 |
Research Abstract |
シリコンカーバイド(炭化ケイ素,SiC)はSiの限界を超える次世代パワー半導体として期待されており、電力や自動車の省エネルギーを目的として活発に開発が行われている。通常供給されるSiCウエーハには転位が1平方センチあたり10,000ヶ以上存在して電子デバイスの実用化が阻まれ、デバイス設計に必要な正確なSiCの基礎電子物性も明らかではない。これら課題の解決には転位密度ゼロ目指すことが本質的に重要であることを申請者は痛感している。本研究は、これまでの研究成果を活用・発展させて無転位SiCの結晶成長を行うことである。この年度ではSiCの横方向成長とその領域の転位評価を中心に行った。横方向成長は基板にあらかじめ凸型構造を作り、それをもとに成長した。 横方向成長速度はオフ角度が0度に近いほど速く、転位の転換率が高い。横方向成長領域の転位は、電子線起電流法とエッチピット観察により評価した。その結果、凸構造の底部に転位があると、成長層中にそれが引き継がれることがあった。そこで凸構造ではなく、逆円錐状のSiC基板を用意し、それを種に横方向成長を行った。逆円錐状のSiCは本研究期間中に確立したエッチング法を用いて形成した。またこれまでの知見を活用し、気相雰囲気中でシリコン種が多くなる条件で成長を行った。その結果、逆円錐状のSiCの先端から横方向へ延びる成長が確認できた。その領域では成長領域を貫通する転位が減った。特に基板のオフ角度が小さいとき、基板よりも転位密度が低かった。
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Research Products
(4 results)