2010 Fiscal Year Annual Research Report
液化水素用超伝導式液位センサの最適設計と拡張性に関する研究
Project/Area Number |
20560304
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柁川 一弘 九州大学, 超伝導システム科学研究センター, 准教授 (10294894)
|
Keywords | 液体水素 / 超伝導式液位センサ / ニホウ化マグネシウム / 最適設計 / 数値解析 / 複合超伝導体 / 熱的安定性 / 最小伝播電流 |
Research Abstract |
昨年度までに実施したFe/SUSシースを有するMgB_2線材を用いて試作した超伝導式液位センサによる液体水素試験の結果、ガスの温度・圧力・種類などの各種状態に試作液位センサが影響を受け、再現性に課題があることがわかった。そこで、今年度は、ガス状態に影響を受けない新しい構造の超伝導式液位センサを考案し、数値シミュレーションによる動作検証、および新構造をもつ液位センサの試作・試験を実施した。新構造液位センサは、従来構造の超伝導線Aに非超伝導線Bを直列接続したものであり、液体中に浸された線Bの長さに比例した電圧を出力する。まず、これまでに構築した数値計算プログラムコードを拡張して、提案する新構造液位センサの動作特性を数値的に評価した結果、液中の線材長に比例した電圧が出力でき、再現性も良好な結果が得られた。次に、SUSシースを有する線径0.14mmのMgB_2線材Aと線引加工後の未熱処理線Bを用いて新構造液位センサを試作し、液体ヘリウム中で予備的に試験した結果、0.6A通電時に出力電圧の線形性および再現性を事前確認することができた。ただし、出力し始める位置が液位と50mm程度ずれる結果が得られたが、これは液体ヘリウムの蒸発潜熱が非常に小さいためであり、液体水素の場合には問題とならない。そこで、液体水素を用いた本試験を引き続き実施した結果、液体充填時や加圧放出時の各種ガス状態に対して、0.3~0,4A通電時に出力電圧の線形性や再現性が良好な結果を得ることができた。本研究成果により、将来の液体水素用超伝導式液位センサの実用化に向けた基礎的要素技術を確立することができた。
|