2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560309
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
星 陽一 Tokyo Polytechnic University, 工学部, 教授 (20108228)
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Keywords | 透明導電膜 / 有機EL素子 / 低ダメージスパッタ / γ電子 / 酸素負イオン / 反跳ガス原子 / スパッタ放出原子 / フォトルミネセンス |
Research Abstract |
本研究では、有機EL膜上に透明電極膜をスパッタ法で形成した場合に有機EL膜が受けるダメージの原因について解明するとともに、ダメージなしでIT0電極膜を作製する技術を開発することを目的としている。その結果、スパッタ堆積時に基板に大きな運動エネルギーをもった電子、およびイオン、原子が入射すると有機膜がダメージを受け、劣化してしまうことを確認した。さらに、高エネルギー電子衝撃は、ターゲットから放出されるγ電子に起因しており、この効果を抑制するためにはターゲットから放出される電子が基板に入射しないように、ターゲット・基板配置およびターゲット陰極付近の磁界分布の設計をすることが必要であることが分かった。スパッタ時ターゲット陰極から放出される酸素負イオンの基板衝撃は、Arイオン衝撃よりも大きなダメージを与えるために、抑制することが必要であるが、対向ターゲット式のターゲット・基板配置により実現できることが確認されている。一方、ターゲット表面で反射して大きな運動エネルギーを持ったまま基板に入射すると考えられていた反跳ガス原子による衝撃の影響は、さほど大きくなく、むしろスパッタ放出原子中に含まれる大きな運動エネルギーを持つ粒子の衝撃によってダメージを受けていることが明らかとなった。このダメージを抑制するためは、スパッタガスとして質量の大きなKrガスを用い、8mTorr以上のやや高いガス圧領域でスパッタ成膜する方法が有効であることを示すことができた。 上記全ての高エネルギー粒子の基板衝撃を抑制できる方法として、対向ターゲット式スパッタ法を利用した、ほぼダメージを与えないスパッタ成膜法の開発を実現することができた。今後、実際の有機肌素子の作製で、上記手法を用いることで、その有効性を確認していく予定である。
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[Journal Article] Themal change of amorphous indium tin oxide films sputter-deposited in water vapor atmosphere2008
Author(s)
M. Wang, Y. Onai, Y. Hoshi, T. Uchida, S. Singkarat, T. Kamwanna, S. Dangtip, S. Aukkaravittayapun, T. Nishide, S. Tokiwa, Y. Sawada
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Journal Title
Thin Solid Films 516
Pages: 5809-5813
Peer Reviewed
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