2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱電効果スペクトロスコピーを用いたパーコレーション系熱電材料の探求
Project/Area Number |
20560310
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
森 夏樹 Oyama National College of Technology, 物質工学科, 教授 (60149911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤重 昌生 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教 (70218999)
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Keywords | 熱電効果 / パーコレーション現象 / 強相関エレクトロニクス / 電子・電気材料 / 環境技術 |
Research Abstract |
21年度において、(1)高温超伝導系多結晶バルク系と(2)セラミクス系「薄膜」の2種類の試料に対して熱電能Sと電気伝導率σの研究を行った。まず、バルク試料では、(Pr_<(1+x)/2>,Cu_<(1-x)/2>)Sr_2(Y_<1-x>,Ca_x)Cu_2O_<7-δ>系について組成xの変化(x=0〜0.5)によりキャリア密度を制御した系を作製し、室温でのSとσを計測して性能(電力因子P)を評価した結果、x=0.3-0.4付近でこの系は良好な特性を示すことが分かった。更にSとσの温度特性を計測し、その結果を「狭いバンド理論」を用いて解析してこの系の電子構造について論じた。また、熱電特性を評価する予備的実験として、LaBaCa(Cu_<1-x>Zn_x)_3O_7(x=0〜5%)での伝導特性を詳しく調べ、この系の電子伝導特性を明らかにした。更に、別の熱電材料の候補として有機物を注入したBi2212系の構造特性を研究した。 次に薄膜試料については、スパッタリング法により作製したIn_2O_<3-x>-SnO_4(ITO)とIn_2O_<3-x>-CeO_4(ICO)薄膜系について熱電特性を評価し、その特性をパーコレーション現象の観点から考察した。室温でのPの値から、特にICOが良い性能を有し熱電材料としての有望な候補材料であることを提案した。これらの系を透明導電材料としての評価を行った結果、ICO系において熱電材料として最も優れた性能を有する組成において透明導電性も優れていることを明らかにした。 以上の熱電特性の研究結果を「スペクトロスコピー」としての特徴を考察し、その有効性についての手応えを得た。更に、次年度に向けた新しい試料についての予備実験として、VO_x,ZnO系薄膜の作製も開始した。
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Research Products
(11 results)