2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶シリコンによる発光素子特性の向上と光増幅の検証
| Project/Area Number |
20560318
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
|---|
Principal Investigator |
BARNARD Gelloz Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (40343157)
|
|---|
| Keywords | シリコンナノ結晶 / フォトルミネセンス / 発光量子効率 / 表而パッシベーション / 青色発光 / 燐光 / エレクトロルミネッセンス / エネルギー伝達 |
|---|
| Research Abstract |
ナノ結晶シリコン(nc-Si)の発光特性の向上と高機能化を目的として、発光波長制御、光エネルギー転移効果の検証、光電子機能発現、に関する検討を行い、以下の知見を得た。
(1)高効率・高安定発光材料の開発
赤色帯発光の高効率化・安定化に対して有効性が確認されている高圧水蒸気アニール(HWA)を積極的に生かして急速熱酸化と組み合わせ、バンドギャップ拡大による発光波長の短波長化を試みた。これにより、高効率で安定な青色発光を実現した。またこの青色発光が、従来の蛍光とは異なり、減衰時間が数秒におよぶ燐光性を示すことを見いだした。この現象はバンド構造が関与した発光再結合では説明できない。試料が粒径1nmまたはそれ以下のナノシリコンドットと酸化膜のネットワークからなることを考慮し、燐光特性の温度依存性などの解析データも合わせ、分子の離散準位間の遷移に基づく燐光モデルを提示した。超微細化したシリコンでは物性に分子的な性質が現れることが光学的に検出されたという点で、青色燐光の観測は学術的にも意義が大きい。
(2)色素や希土類元素とのハイブリッドによる高機能化
青色燐光性nc-Si層内部へ色素分子や希土類元素を電気化学的に導入したナノコンポジット材料を作製し、励起光の偏光メモリ、発光寿命などの点からその効果を詳細に解析した。その結果、光励起により試料内部で発生した光のエネルギーが色素分子へ転移されていることを裏付けるデータが得られた。また、種類の異なる色素分子を導入した場合には、多段のエネルギー伝達が生じていることを確認した。さらに、発光素子へ展開する基礎検討として、nc-Si層に発光性高分子を導入する電解重合を行い、電気的光学的特性を評価により、nc-Si層全体に浸透する条件を見いだした。
|
-
-
-
-
-
[Journal Article]2010
Author(s)
B.Gelloz
-
Journal Title
Silicon nanocrystals : Fundamentals, Synthesis and Applications(Wiley-VCH)
Pages: 349-393
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
