2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ結晶シリコンによる発光素子特性の向上と光増幅の検証
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20560318
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| Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
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Principal Investigator |
BERNARD Gelloz 東京農工大学, 大学院・工学府, 特任助教 (40343157)
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| Keywords | シリコンナノ結晶 / フォトルミネセンス / 発光量子効率 / 表面パッシベーション / 青色発光 / 燐光 / エレクトロルミネッセンス / エネルギー伝達 |
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| Research Abstract |
ナノ結晶シリコン(nc-Si)の発光特性の向上と高機能化を目的として、プロセス技術、発光の短波長化、光エネルギー転移効果の検証、光電子機能発現、に関する検討を行い、以下の知見を得た。
(1)青色燐光の機構解析
赤色発光試料に高圧水蒸気アニールと急速熱酸化を施すことで得られる青色帯の発光が減衰時間が数秒に及ぶ燐光性を示すという現象を前年度までに見いだした。これをふまえ、青色発光の機構を解明する一環として、赤色発光と青色燐光が共存する試料を対象に、発光特性に対する外部電界の影響を調べた。実験の結果、赤色帯では明確な電界クエンチングが見られるのに対し、青色燐光ではピーク強度が電界によって低下しないことがわかった。これにより、青色燐光が局在性の強いSi-SiO_2のネットワークによることが裏付けられた。赤色発光と異なる青色発光の特質は光導電においても明確に観測された。これにより、超微細化したシリコンでは分子的な電子構造をもつ機能材料として扱うべきことがさらに明らかになった。
(2)色素、希土類元素、導電ポリマーとのハイブリッドによる高機能化
青色燐光性nc-Si層内部へ色素分子、希土類元素、導電性ポリマーを導入し、その光学的効果を発光減衰などの点から分光的に解析した。その結果、光エネルギーが導入した色素分子へ転移されていることを示すデータが得られた。また、希土類(Tb)の場合でも光エネルギー転移による発光増強が確認された。燐光効果の可能性が示されたといえる。さらに、導電性ポリマーについても試料内に一様に導入するためのプロセス条件を固め、作製した試料がナノコンポジット材料としての特異な光電子機能を有することを確認した。
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