2009 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ波領域の有効な光源となる連続的に周波数可変なジャイロトロンの開発
Project/Area Number |
20560320
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小川 勇 University of Fukui, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (90214014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出原 敏孝 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 特任教授 (80020197)
斉藤 輝雄 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 教授 (80143163)
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Keywords | サブミリ波領域 / 光源の開発 / 高出力光源 / ジャイロトロン / 高周波ジャイロトロン / 連続周波数可変 / DNP-NMR測定 / 蛋白質の構造解析 |
Research Abstract |
電波と赤外光との間に位置するサブミリ波領域には,高出力が得られる実用的な光源が存在しないという状況が続いてきたが,ジャイロトロンの高周波化が進展し,有効な光源としてその存在感を増しつつある。しかし,連続的な周波数の掃引が求められる実験では,たちまち,ジャイロトロンは有効な光源にならなくなる。というのは,ジャイロトロンの周波数は高いQ値を持つ共振器によって決められ,一つの動作モードで掃引できる範囲は数10MHz程度に限られるためである。 本研究の目的は,数GHzの範囲に亘って発振周波数を連続的に掃引できるサブミリ波ジャイロトロンを実現し,周波数可変性を求められる研究に役立つサブミリ波領域の有効な光源を実現することである。 ジャイロトロンGytotron FU CW IVを用いた実験では,磁場を掃引することにより,発振出力は途切れることなく存在し,発振周波数は134Hzから6GHzに亘り連続的に変わることが分かった。また,15Tまで発生できる超伝導マグネットを用いたジャイロトロンGytotron FU CW VIを製作し,動作試験を開始したところ,磁場の掃引により,発振出力は変動するが10W以上を確保できており,発振周波数は394.7GHzから1.6GHzの範囲に亘り連続的に変わることが分かった。サブミリ波領域において,連続周波数可変のジャイロトロンを開発するという課題に対して明るい展望が得られてきた。今年度は,Gytotron FU CW IV及びGytotron FU CW VIを光源として用いることにより,200MHz DNP-NMR測定及び600MHz DNP-NMR測定を進める予定である。
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