2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560325
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 史和 Osaka University, 工学研究科, 講師 (80304012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 勝弘 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00403139)
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Keywords | 静電霧化 / ナノサイズ微粒子 / 粒子法 / 有限要素法 / 流体・電場連成解析 / テイラーコーン |
Research Abstract |
本研究では,静電霧化現象のモデル化を行うことにより,その発生メカニズムを解明することを目的としている.そして本研究課題では,その第一歩として帯電微粒子の離脱現象までのモデル化を目指す.本年度は,前年度のモデル開発で問題となった現象に対する改良を行い,より現実に近い現象を再現可能となり,メカニズムに対する考察を深めることができた.以下に,その成果の概略を示す. 前年度までの成果として,印加電圧と微小水滴の変形挙動の傾向は実験結果と定性的に一致し,本計算モデルの妥当性が確認された.しかし微小水滴が離脱した後,針状電極に残った水滴が振動する現象を再現できていなかった.実現象では,微小水滴の離脱に伴い,離脱水滴は電極上の水滴から電荷を受け取る.その結果,電極間の電場が変化しテイラーコーン先端に集中していた電界の集中が緩和される.そして,曲率が大きくなっていた水滴先端の表面張力とのバランスが大きく崩れる事によって,水滴が振動しているものと考えられる.そこで本年度は,この現象を再現するため,モデルに「離脱水滴の電荷の影響」を加えた. その結果,微小水滴の離脱によって,テイラーコーンに集中していた電界が緩和され,水滴先端曲率が小さくなることが確認された.しかし,実際の現象で見られるような水滴の大きな振動現象の再現とまでは行かなかった.そこで今後は表面張力の計算アルゴリズムの見直しを行うことによって,より精度の高いシミュレーションモデルの構築を目指す,また,今年度から引き続いて計算速度の向上のため,並列計算手法の効果的な導入も検討課題とする.
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Research Products
(1 results)