2010 Fiscal Year Annual Research Report
電磁的バンドギャップ(EBG)構造による電磁干渉抑制に関する研究
Project/Area Number |
20560328
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
豊田 啓孝 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20311798)
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Keywords | 多層プリント回路基板 / 不要電磁波伝搬抑制 / セグメンテーション法 / スリット / 電磁結合 / プレーナEBG / 磁性膜 |
Research Abstract |
本研究課題における具体的な目標は次に示す2点である。 ・多層プリント回路基板における電磁波伝搬の減衰効果の大きいEBG単位セル設計アルゴリズムの構築 ・磁性膜と組み合わせて最少単位セルで十分なノイズ抑制効果を有するプレーナEBG構造の実現 平成22年度は上記目標に対して研究を遂行し、以下の成果を得た。 1阻止域における減衰量の大きなEBG単位セルの決定 減衰量の大きなEBG単位セルの実現において、単位セルの内部や境界における電磁界の振る舞いを理解しておくことは重要である。3次元電磁界シミュレーションにより得られた電磁界の振る舞いと、フェライト膜の電気特性及びEBGの構造パラメータが阻止特性に与える影響の関係を調べた。その結果、誘電体厚に対してスリット間隔が大きくなるほどフェライト膜の磁気損失がノイズ抑制に有効に寄与することを確認した。 格段の小型化が可能なオープンスタブ構造を有するEBG構造を対象として、回路解析に基づく分散解析を行った。阻止域の同定、並びに、減衰量の予測がよい精度で行えることを確認した。これにより減衰量の大きなEBG単位セル構造を判別するため重要な知見を得た。 2テストボードによる実証 現実のPCBを模擬し、フェライト磁性薄膜を導入したEBG構造を有するテストボードの外注試作は困難であった。そこで、フェライト磁性薄膜を導入したEBG構造の電源グランド層のみのテスト基板を試作し、さらに、その基板を用いて得られた測定データを使用して、実ボードを模擬したノイズ抑制特性を回路シミュレーションにより評価した。加えて、電源品質特性も評価した。今回検討した基板構造の範囲では、ノイズ抑制特性、電源品質特性とも良好な結果を得た。
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Research Products
(4 results)