2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560329
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
賈 洪廷 Kyushu University, システム情報科学研究院, 准教授 (60315223)
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Keywords | 電磁結晶 / 電波散乱 / 不均一誘電体 / 周期構造 |
Research Abstract |
近年、我が国の生活習慣の変化などによって、乳がん患者が急激に増加している。また、近年乳がん患者の死亡率は年々増加しており、今後その傾向が続くことが懸念されている。しかし、乳がんは早期発見早期治療により完治率の高いがんでもある。現在、乳がん検診の方法は主にX線マンモグラフィが用いられている。しかし、正常な胸部組織と種瘍とのコントラストが小さいことに起因する偽陰性と偽陽性に関する報告されている。本研究では、不均一な複数金属体で構成した電磁結晶を用いて、新しいマイクロ波CTシステムを研究し、その有用性は明らかにした。 電磁結晶は複数の誘電体、多数の金属体、または、誘電体と金属体の混合体で構成されている。金属の導電率は有限であるため、周波数に高くなるにつれ、導体損失が大きくなる。よって、光帯域では、誘電体のみで構成したフォトニック結晶(マイクロ波分野では電磁結晶と呼び)が多く使っている。しかし、マイクロ波・ミリメートル波帯域では、金属が特性は完全導体に近い。よって、サイズの小さい金属体でも、電磁結晶特有なバンドギャップ特性が表れることは明らかにした。また、ユニットセルに複数個の金属体が存在する場合、屈折率は負になる周波数帯が存在することは理論的証明した。誘電体のみで構成したフォトニック結晶において、フーリエ級数展開法や改良したフーリエマトリクス法が提案され、また、均一な媒質中に複数な金属物体の問題に対しても、マトリクス法が存在する。しかし、理論においても、応用においても、もっとも重要な不均一中に複数金属体で構成した電磁結晶問題に対しては、厳密な解析理論はまた提案されていない。本研究では、以前の研究で提案した改良したフーリエマトリクス法を更に発展し、不均一な複数金属体から成る電磁結晶を厳密的に解析する方法を提案した。提案した方法の有用性、妥当性、計算精度などは本研究で明らかにした。
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