2008 Fiscal Year Annual Research Report
光増幅再生機能を有する波長制御型光分岐挿入多重ノードに関する研究
Project/Area Number |
20560334
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
下村 和彦 Sophia University, 理工学部, 教授 (90222041)
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Keywords | 波長スイッチ / 光増幅器 / 量子ドット / アレイ導波路 / 有機金属気相成長 |
Research Abstract |
屈折率分布アレイ導波路の選択成長技術をもとに波長選択スイッチ構造の導波路構造設計をビーム伝搬法を用いた数値計算により行った。これまでの研究において、屈折率分布を持っアレイ導波路からの回折光の集光は考慮してこなかったが、今回ローランド円構造を持つスラブ導波路を含めたビーム伝搬法により屈折率分布アレイ導波路と出力導波路との結合効率の計算が可能となった。これにより高効率結合、波長間低クロストークの条件を満たす導波路設計を行い、その結果に基づいたマスク作製および波長選択スイッチの試作を行った。実際に試作した素子の波長分波特性の波長分波間隔、FSR、クロストーク測定と設計の一致を確認することができ、今後の素子設計に有用なツールとなることを確認できた。また実際に試作した波長選択スイッチにおいて、熱光学効果を用いた屈折率変化によるスイッチングを確認した。試作した素子は16本の直線型屈折率分布アレイ導波路、1入力、4出力導波路の構造となっている。室温においては波長1550nm以上において波長間隔約20nmの波長分波器として動作し、熱を加えると波長分波機能を持ちながら出力導波路が変わるスイッチング動作を行う波長選択スイッチである。これまでは波長分波機能、スイッチング動作とも不完全であったが、今回マスク構造の設計しなおしにより初めて波長選択スイッチング動作が可能となった。一方、光再生を行うための量子ドット導波路においては、MOVPEによるStranski-Kranstanowモードによる自己組織的な量子ドット構造の結晶成長条件の最適化を行った。ダブルキャップ法を用いた量子ドットの作製において、lstキャップ層と2ndキャップ層の歪制御により、光増幅器として必要な多層化構造の最適化が可能となった。そしてアレイ導波路と層ごとの歪制御を併用した素子により電流注入による広帯域な光発光特性を得ることができた。
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