2009 Fiscal Year Annual Research Report
光増幅再生機能を有する波長制御型光分岐挿入多重ノードに関する研究
Project/Area Number |
20560334
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
下村 和彦 Sophia University, 理工学部, 教授 (90222041)
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Keywords | 波長スイッチ / 光増幅器 / 量子ドット / アレイ導波路 / 有機金属気相成長 |
Research Abstract |
屈折率分布アレイ導波路の選択成長技術をもとに波長選択スイッチ構造の導波路構造設計を数値計算により行った。これまでの研究において、ビーム伝搬法を用いた数値計算を行ってきたが、波長スイッチにおける屈折率変化を計算する場合、ビーム伝搬法では各アレイ導波路の屈折率分布を数値的に変えて計算するだけで見通しが悪いため、モデルを単純にした新しい解析法を考案した。この方法によりこれまでに波長分波特性は解析が終了した。 実際の波長スイッチとして熱光学効果を用いたスイッチは前年度から継続して研究を行っており、本年度は素子全体を加熱するのではなく、アレイ導波路のみを加熱する電極構造の素子を作製しスイッチング特性を達成した。ただし、すべての波長のスイッチングは達成しておらず、次年度に向けて継続していく予定である。またスイッチング速度を改善するために、電流注入型の波長スイッチの設計、作製を行った。初期的な結果ではあるが、3ポートでのスイッチング特性は達成しており、本年度の実験結果を元に問題点を解決していくことが課題となっている。 光再生を行うための量子ドット導波路においては、MOVPEによるStranski-Kranstanowモードによる自己組織的な量子ドット構造の結晶成長条件の最適化を継続して行った。ダブルキャップ法を用いた量子ドットの作製において、量子ドット層下部のバッファ層の歪制御、キャップ層厚の制御により、広帯域な発光特性を達成した。この結果は光増幅器の広帯域化に応用することができる成果であり、光増幅素子の基本設計方針を得ることができた。
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