2010 Fiscal Year Annual Research Report
光増幅再生機能を有する波長制御型光分岐挿入多重ノードに関する研究
Project/Area Number |
20560334
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
下村 和彦 上智大学, 理工学部, 教授 (90222041)
|
Keywords | 波長スイッチ / 光増幅器 / 量子ドット / アレイ導波路 / 有機金属気相成長 |
Research Abstract |
選択成長技術を用いた屈折率分布アレイ導波路の波長選択スイッチングを数値計算により行った。昨年度より検討したローランド円構造を用いた集光構造を考慮した数値計算方法である。これまではアレイ導波路数8本で数値計算を行ってきたが、試作した素子構造と同じ16本のアレイ導波路構造により波長分波特性、屈折率変化を与えた時のスイッチング特性を示すことができた。 実際の波長スイッチとして熱光学効果を用いたスイッチは前年度から継続して研究を行っており、アレイ導波路のみを加熱する電極構造の素子を作製し4波長、4ポートのスイッチング特性を達成した。さらに本年度は電極構造を変更した素子構造を検討し、それぞれの素子においてスイッチングを達成するとともに、スイッチングに必要な消費電力を大幅に低減できることを示した。またスイッチング速度を改善するために、電流注入型、電界印加型の波長スイッチの設計・試作を行い、波長分波特性とともに基本的なポートスイッチングを達成した。 光再生を行うための量子ドット導波路においては、MOVPE選択成長法によるStranski-Kranstanowモードによる自己組織的な量子ドットアレイ構造の結晶成長条件最適化を継続して行った。量子ドット層下部の高Ga組成バッファ層の成長条件を最適化し、発光強度の高出力化を達成した。またダブルキャップ法を用いた量子ドットの作製において、多層量子ドットを成長するためのキャップ層組成の最適化を行った。これらの結果は光増幅器の広帯域化に応用することができる成果であり、光増幅素子の基本設計方針を得ることができた。
|