2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560336
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山本 学 Tokyo University of Science, 基礎工学部, 教授 (40339130)
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Keywords | ホログラム / メモリ / 記録システム / 再生専用 / 多重記録 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ホログラムメモリの技術領域において,ROM(再生専用型)型メモリを実現することである.従来この種の分野におけるROM型メモリは,記録されたホログラムの再生および密着した光反応樹脂への転写によって形成されていた.このような作成方法では,大量生産性に劣りかつ再生を繰り返すことによるノイズの蓄積が課題として存在する.このような課題を克服するため,本研究では,従来のCDあるいはDVDの大量作製技術であるスタンパによるインジェクション法で生産が可能な計算機ホログラムを記録情報とする.これにより,低コスト,かつ高信号対雑音比が実現可能なROM型ホログラムメモリが実現できると考えている. 計算機ホログラムでは,本来アナログ情報であるホログラム干渉縞をデジタルコードに変換する.例えば,振幅情報は微小ピクセルサイズの中にカッティングするピットの数を変更することによって,数ビットの階調の振幅情報を記録する.位相情報は,位相量に応じて微小ピクセルないにカッティングされるピットの位置を数ビットの階調で変化させる.この原理により,ディスクに記録される情報はCDなどと同等なピット形状で,振幅と位相情報が同時に記録されることになる. 今年度は,計算機ホログラムによる原盤へのカッティングパターンをシミュレーションする数値解析技術を確立した.記録情報に位相コード(アダマール行列による)を導入することにより,多重に蓄積した計算機ホログラムを分離再生する技術の確立を図り,再生シミュレーション上,原理確認を実証できた.今後はこれらの研究成果をさらに発展させ,具体的に多重ホログラムのサンプル作製と再生実験を行い,実験的にも原理の実証を図る.
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