2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560336
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山本 学 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40339130)
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Keywords | ホログラム / メモリ / 記録システム / 再生専用 / 多重記録 |
Research Abstract |
再生専用型のホログラフィックメモリを実現するため、深さの異なるピットパターンを用いた位相多値記録方式を検討した。従来のROM方式では、多重度が向上しなかったため、新たにピット深さ方向に多値記録を行う方式を検討した。今年度はサンプル作製の検討および再生シミュレーションの検討を行った。サンプル作製については、電子ビームカッティング技術を用いて深さ方向に8階調を作製できることが明らかとなった。カッティングについては、さらに16階調を目指した検討を進めており、作製精度等を今後明らかにする。 再生シミュレーションについては、位相ダイバーシティ・ホモダイン検出のシミュレーションを行った。位相を8値で分離再生できることを原理的には確認した。ただし、ピット部と平坦部の面積比が小さいと信号検出が十分には行われないことを確認した。信号検出においては、十分な信号対雑音比を得るためのカッティングパターンの最適化が必要であり、さらに継続して検討を進める。 位相多値に関しては、振幅変調による多値記録に比べて差動検出が可能であり、信号対雑音比の向上が期待できる。一方ではピット作製技術に高精度のカッティング技術が要請され、技術の評価については,信号検出と作製技術の両面から性能評価を行う必要がある。 いずれにしても、ホログラムメモリのROM化に当たっては、従来のアナログパターンの転写技術では大量生産、低コスト化は困難であり、本研究で示した計算機ホログラムの考え方に基づくピットパターンによる表現が製造的に最適であり、今後さらに大容量化に向けて研究を進めていく。
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