2010 Fiscal Year Annual Research Report
近接場アンテナとパルス磁界によるハイブリッド記録の基礎特性
Project/Area Number |
20560337
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中川 活二 日本大学, 理工学部, 教授 (20221442)
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Keywords | データストレージ / 磁気記録 / 熱工学 / マイクロナノデバイス / 電子・デバイス機器 |
Research Abstract |
1Tb/in^2以上の超高記録密度情報記録技術の一つとして光・磁気ハイブリッド記録があげられる。本研究では,近接場微小光スポットによる局所的な温度上昇を活用し,光による熱勾配に比べ磁界勾配の小さなヘッドにより磁界を加える方式を検討し,光・磁気ハイブリッド記録方式の墓盤を明確にすることを目的としている。以下に本年度に得られた成果を示す。 1)プラズモン共鳴を利用した近接場光ヘッドの作製 同時に大量の近接場光アンテナを作製可能な電子線リソグラフィを用いたリフトオフ法により,最小で長手方向長さ320nm,先端曲率半径28nmのアンテナの作製に成功した。 2)近接場光加熱における熱伝導解析 記録媒体を局所加熱する際の記録ヘッドの温度上昇を熱伝導シミュレーションにより解析し,ヘッドの温度上昇が孤立微粒子媒体の温度上昇よりも十分に低いことを示した。 3)ハイブリッド記録用の高K_u薄膜の検討 HDDに用いられる垂直媒体を基にハイブリッド記録に適する媒体の検討を行った。積層構造を用いることで材料組成を変化させた媒体を作製し,記録実証実験が可能なCoPtCr-SiO_2基媒体の作製に成功した。 4)低磁界勾配の磁界ヘッドによる高K_u媒体への記録実験 近接場光アンテナを,誘電体Si_3N_4層を介して上記CoPtCr-SiO_2記録媒体上に直接作製する構造を採用することにより,ハイブリッド記録実験を実現した。一方向に磁化させた試料の磁化方向と逆方向に外部磁界を付与した状況下で,アンテナの有無に関わらず試料表面全域に光を照射し,磁区を磁気力顕微鏡で観察した。その結果,アンテナ周辺部においてのみ磁化を反転させることに成功した。 記録された磁区形状をアンテナ形状及びアンテナ媒体間距離が既知の状況で評価可能であることが示され,今後のハイブリッド磁気記録のヘッド設計に大いに貢献する成果が得られた。
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Research Products
(9 results)