2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560354
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大平 孝 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (30395066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 秀幸 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (00293754)
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Keywords | 電波ゆらぎ / 可変指向性 / 相互情報量 / 秘匿通信 / バラクタダイオード / レイトレース / 無線セキュリティ / 秘密鍵 |
Research Abstract |
秘密鍵方式においては正規局間の鍵一致率に加えて、第3者に対する耐盗聴性の確保が必須である。2つの正規端末と1つの盗聴端末が典型的なオフィスルームである8m×10mの長方形空間にあるとして、シミュレーション実験を行った。部屋の中のランダムな位置に上記2つの正規端末を配置、第3の端末は盗聴に最も有利と考えられる位置(2つの正規端末を結ぶ直線上)に配置し、盗聴者は鍵生成のアルゴリズムを完全に知っているもの仮定した。このような条件で正規端末間で鍵生成を行っている状態において、盗聴端末を常に受信モードに設定して正規局で生成される鍵と盗聴局で生成される鍵の相互相関係数を評価した。正規局と盗聴局の場所を様々に変えてこの相互相関係数の評価を何度も繰り返していたところ、稀にある特異な現象があることを発見的に気づいた。最初はなんらかの計算誤差ではないかと疑ったが、同じ評価を場所を変えて実施してみたところ確率的に再現された。これは相互相関係数が平均的な値に比べて明らかに低い値となる場所があることを意味している。さらに繰り返して評価していくうちに、この現象は正規局間を直接到達する電波の強度が一旦壁に反射して到達する電波に比べて低い場合に発生するということがわかってきた。つまり、電波が相手端末に直接届かないような場合に盗聴耐性が向上することになる。そこで、このような環境をあえて設定しシミュレーション実験を再実施し統計的に相関係数を評価したたところ見事に優位さが現れた。これは反射を低減した方が良いという通常の無線通信の常識とは全く相反するものである。この発見にもとづき、正規局間でアンテナの偏波方向をあえて直交させる配置とする秘密鍵生成方式およびその装置を特許出願するに至った。
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Research Products
(6 results)