2009 Fiscal Year Annual Research Report
高速移動環境におけるブロードバンド移動通信方式に関する研究
Project/Area Number |
20560355
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田野 哲 Kyoto University, 情報学研究科, 准教授 (80378835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 大佑 京都大学, 情報学研究科, 助教 (50314258)
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Keywords | 適応等化 / 高速フェージング / ブロック伝送 / OFDM / 移動通信 / 無線伝送 |
Research Abstract |
【OFDMにおける並列復調方式】 前年度提案した、並列FFT(Fast Fourier Transform)等化器の基本構成をOFDM(Orthogonal Frequecy Division Multiplex)に拡張した並列復調方式の構成を提案した。そして、特性を最適化するためのトレーニング信号設計法をも提案した。これによりWiMAXやLTEダウンリンク等を高速移動環境下でも提供できる可能性があることを示した。 【高速フェージング環境におけるブロードバンド化】 通信速度を高速化するため、多値変調の適用が移動通信においても検討されている。そこで高速フェージング環境で多値変調を用いた場合の、並列FFT等化の特性を検証すると共に、その劣化要因を解析した。その結果、変調多値数を増加させるにつれ、ソフトレプリカの精度が劣化するため著しく特性が劣化し。特に、変調多値数を上げていった場合には、残留符号間干渉(ISI:Inter-Symbol Interference)による特性劣化がその大きな要因の一つであることを明らかにした。 【ダイナミック繰り返し復号を用いた簡易化型ISI補償】 上記の劣化要因を軽減する簡易型のISI補償法を提案した。これは、高速移動に伴い現れる干渉成分とISIの成分を同時にソフトレプリカを用いて補償する方法である。理想的に復調が出来る場合には、この方法により干渉成分が抑圧され、復調信号の信号帯雑音電力比(SNR)が改善されることを示した。但し、復調信号の誤りにより充分な特性改善効果が得られないことも明らかとなった。
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