2009 Fiscal Year Annual Research Report
人体内、人体間の通信におけるアクセス方式及びその応用に関する研究
Project/Area Number |
20560373
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
嶋本 薫 Waseda University, 理工学術院, 教授 (80235639)
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Keywords | 人体通信 / BAN / ヘルスケア / 指認識 / BSN |
Research Abstract |
近年,ユビキタスコミュニケーションの発展とともに人体通信技術に関する研究が注目を浴びている.その便用用途は医療現場でのヘルスケアシステムや,携帯端末への組み込みなど,多種多様である.本研究では人体通信技術を用いて,人体手部における指の識別や掌上の場所の特定を行う検討を行った. 指識別方式では周波数,受信電力差及び位相差といった識別情報,装着箇所等を組合せた識別率を算出し,最適な組合せを求めた.その結果,周波数1.0GHz以上で左側端受信機,右側端受信機の位相差を用いた識別及び位相差と受信電力差を用いた識別が指識別に効果的である事を示した. 掌識別方式では掌上によって位相差が異なる特性を利用し,ペン型プローブを用いて掌上の場所の特定が可能である事を明らかにした.また,位相差の軌跡を記録する事で, ペンの経路から掌上に書かれた文字を復元及び認識する事に成功した.結果として,指識別及び掌識別方式がそれぞれ実現可能である事を示した. 指認識は新しいアプリケーションを創造するもので体の不自由な方への様々なヒューマンインターフェイスとしても期待できる。また、掌の上に文字を書いたりキーボードのように入力するパームライティングやパームタイピングは新たな入力インターフェイスとして様々なアプリケーションが可能であり、新規ビジネスにつながる。これらの成果は電子情報通信学会和文論文誌論文として採択されるなど高い注目と評価を得ている。また、近年は海外からの問い合わせも増えている。 今後の課題として,掌上識別方式で用いたペン型の送信機の代わりに手首に送信機を装着し,指先をペンとして用いるモデルについても検討を行う.
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