2010 Fiscal Year Annual Research Report
長距離大容量周波数多重光ファイバー伝送システムにおける四光波混合光雑音の低減
Project/Area Number |
20560379
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
沼居 貴陽 立命館大学, 理工学部, 教授 (60261351)
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Keywords | 情報通信工学 / 量子エレクトロニクス / 光ファイバー伝送 / 非線形光学 |
Research Abstract |
信号光の変調方式と、各チャンネルの周波数配置の観点から、3次の非線形効果による四光波混合光が生じにくい信号光を作る方式について研究した。光ファイバーの分散、パルス幅の広がり、群遅延、受信側に配置する各チャンネルの信号光を選択するための光フィルタの帯域を考慮した。変調方式や、周波数配置以外は、既に敷設されている光ファイバー通信システムの仕様を踏襲した。性能指数としては、FWM光雑音の発生効率、符号誤り率、パワーペナルティ、許容入力パワーを用いた。 信号光の変調方式として、周波数シフトキーイング/直接検波方式と、強度変調/直接検波方式について研究した。周波数シフトキーイング/直接検波方式については、二つの偏移周波数をチャンネルごとに割り当てる方式と、2種類のベースユニットを用いた周波数配置を組み合わせ、チャンネルの周波数間隔の非周期性を十分高くすることで、位相整合を起きにくくした。位相不整合をできるだけ大きくして、四光波混合光の強度を抑制するための2種類のベースユニットの周波数とゼロ分散周波数との関係を明らかにした。従来の方式に比べて、クロストーク、許容光入力とも改善し、クロストークは8.59dB減少し、許容光入力は5.36dB増加した。 強度変調/直接検波方式については、不等周波数間隔配置から構成されるベースユニットをもとにして、周波数間隔が、それぞれ昇順、後順となる2種類のベースユニットをオーバーラップさせ、各ベースユニット内の周波数配置とFWM光の発生効率の関係を調べた。本方式において、総周波数帯域を従来よりも18%低減したうえでFWM光の強度を抑制できることを示した。
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