2008 Fiscal Year Annual Research Report
スケーラブルかつフレキシブルな印刷画像へのデータ埋込・抽出手法の開発
Project/Area Number |
20560380
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
棟安 実治 Kansai University, システム理工学部, 教授 (30229942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 良子 関西大学, システム理工学部, 助教 (30511711)
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Keywords | 電子透かし技術 / レンズ歪み / 歪み係数 / グループ符号化法 / 不正コピー防止 / 枠線 / 周波数領域 / 携帯端末 |
Research Abstract |
本年はアルゴリズムの検討と評価に注力した.モバイル端末を用いたデータ抽出アルゴリズムとして,あらたに歪み係数推定を用いた画像補正とグループ符号化法による手法を開発した.歪み係数推定を用いることで典型的なレンズ歪みである糸巻き型歪みと樽型歪みの両者を補正することを可能とし,またグループ符号化法によって大幅に埋め込みビット数を増加させることに成功した.その結果,112ビットのデータを埋め込み,平均PSNR40dBで平均検出率97.16%という実験結果を得た.目標である20文字(160ビット)には若干届かないものの14文字程度の埋め込みが可能となった.また,JAVAプログラムへの移植の検討も開始し,処理量の見積もりも行った.その結果,若干の計算量削減が必要という結論を得た.以上から,基礎的な検討については概ね終了し,次年度の目標を設定することが可能になった. 次に,文書画像へのデータ埋込・検出手法の開発と基礎的検証については,枠線を用いた文章画像の識別手法,画像へのデータ埋め込みと文字書き込みに対してロバストな検出手法や文書管理データベースの構成法など要素技術に関する基礎的な検討を行った.その結果として,文章画像の識別と文章内に埋め込んだ10ビットのID情報を100%検出することに成功した.これにより,不正コピー防止のための新たな文書管理システムの構築のための基礎的な要素技術を開発することができたので,システム全体の検討を行うことが可能になった.以上のように,基盤となるアルゴリズムの開発に成功したということができる.
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