2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560383
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
澁谷 智治 Sophia University, 理工学部, 准教授 (20262280)
|
Keywords | LDPC符号 / 反復復号 / 線形計画法 / 基本多面体 |
Research Abstract |
本研究は,Feldmanらによる「線形計画(LP)問題に基づく復号(LP復号)」に焦点を当て,LP問題の制約集合として定義される線形符号の基本多面体の構造を解明することを目的としている. 近年の研究から,基本多面体の頂点集合は,反復復号におけるほとんどの収束点を含むことが明らかになっている.つまり,基本多面体の構造を明らかにすることは,反復復号の収束点集合の構造解明につながるものと期待される.また,反復復号を実現するための基本的なアルゴリズムであるsum-productアルゴリズムに関し,それが収束するためのより精密な十分条件が近年発見されている。 本年度は,この十分条件を線形符号に適用した場合に,反復復号が収束するための十分条件がどのように記述されるかについて考察した。この結果,線形符号のタナーグラフの構造に関する強い制約を導くとともに,この符号の基本多面体の頂点集合が符号語集合と完全に一致することを明らかにした。 なお,基本多面体の構造解明という観点に立つと,上で述べた事実は新たな知見ではない。従って,基本多面体の構造をより深く理解するためには,今年度に得られた収束条件をさらに精密化する必要があるものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)