2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560383
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
澁谷 智治 Sophia University, 理工学部, 准教授 (20262280)
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Keywords | 基本多面体 / LP復号 / LDPC符号 / 反復復号 / アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究は「線形符号のLP復号」に焦点を当て,LP問題の制約集合である「線形符号の基本多面体」の構造を明らかにすることを目的としている。基本多面体の頂点集合がLDPC符号の反復復号における収束点の大部分を含むことから,基本多面体の構造解明により,反復復号の収束点集合の構造解明が期待される。 本年度は,LDPC符号の反復復号法と同様のアルゴリズムによって符号化が可能な線形符号の条件付けについて検討した。線形符号の符号化は,与えられた情報ビットからパリティビットを計算することにより行われる。これは,有限体上の線形連立方程式を解くことに等しく,一般に0(n^2)の計算量を必要とする。これに対し,Haleyらは,線形連立方程式の反復解法であるJacobi法を有限体上の場合に応用し,その収束条件を明らかにするとともに,0(n)で実行可能な符号化アルゴリズムを開発した。さらに,このアルゴリズムが適用可能な符号の検査行列を,巡回行列に基づいて構成する手法を与えた。 本研究では,Haleyらのアルゴリズムが適用できる符号クラスを明確にし,巡回行列に基づく検査行列に関する必要十分条件として明示することに成功した。これにより,符号化・復号化がともに0(n)の反復アルゴリズムで実行可能な符号クラスの一部が明確になった。なお,この成果は電子情報通信学会情報理論研究会にて報告され,次の研究年度に開催される国際会議に投稿を予定している。
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