2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560383
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
澁谷 智治 上智大学, 理工学部, 准教授 (20262280)
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Keywords | LDPC符号 / DM分解 / 線形符号の符号化 / 反復復号 / LP復号 / 計算量 |
Research Abstract |
本研究は「線形符号の線形計画法(Linear-Programming,LP)に基づく復号(LP復号)」に焦点を当て,LP問題の制約集合である「線形符号の基本多面体」の構造を明らかにすることを目的としている。基本多面体の頂点集合がLDPC符号の反復復号における収束点の大部分を含むことから,基本多面体の構造解明により,反復復号の収束点集合の構造解明が期待される。 本年度は,LDPC符号の高速符号化アルゴリズムについて検討した。LDPC符号を部分クラスとして含む線形符号の符号化は,与えられた情報ビットからパリティビットを計算することにより行われる。これは,有限体上の線形連立方程式を解くことに等しく,係数行列を事前に操作できることから,一般にO(n^2)の計算量を必要とする。一方,LDPC符号の代表的な復号法であるサムプロダクト復号法は,検査行列の疎性を利用することによってO(n)で実行可能なアルゴリズムである。このような符号化と復号化の計算量のアンバランスは,符号の実用化を考えるうえで深刻な問題となっていた。 本研究では,疎行列を係数行列とする線形連列方程式の効率的な解法の一つである,Dulmage-Mendelsohn(DM)分解に基づくブロック三角化法を応用することにより,任意のLDPC符号に対してO(n)の符号化を可能とするアルゴリズムを開発した。なお,この成果は電子情報通信学会情報理論研究会にて報告され2011年度に開催される国際会議に投稿中である。
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Research Products
(2 results)