2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560386
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村田 純一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60190914)
|
Keywords | 多目的最適化 / 多属性意思決定 / システム工学 / 対話型手法 / 社会システム / 公共サービス |
Research Abstract |
公共サービスのサービス内容決定など現実問題に多く見られるにも関わらず、従来、適切な解法が提案されていなかった、複数の目的関数について意思決定者とは異なる複数の分散した評価者が行った評価に基づいて意思決定を行う分散評価型多目的最適化問題について、昨年度までに開発した、評価者への質問とその回答に基づいて適切な解を求める対話型手法を、以下の点について拡張、発展させた。 1.評価者による複数の目的関数を総合した評価である選好を推定するために、提案手法では評価者への質問とそれに対する回答を複数回繰り返して行うが、評価者の選好は近似表現せざるを得ないことに起因して、複数回の回答の持つ重要性・信頼性は一様ではない。これに対処するために、より信頼できる回答を重要視して利用することができる重みづけを導入した方法を開発した。 2.複数の評価者各々の選好をまとめた評価者全体の選好を評価する方法として、全評価者の数値化された選好の単純な平均値を用いる方法に加え、全評価者の選好の中の最悪値を用いる方法を考案した。この方法を用いることにより、決定された解に対する選好値の評価者間のばらつきを抑え、より不公平感の少ない意思決定を行うことができる。 3.評価者の選好を表現する関数形が、想定と現実とで異なることが考えられるため、その影響評価を行い、開発した方法を用いた場合はその影響は小さいことを確認した。 4.昨年度までの方法では、有限個の選択肢から適切なものを選ぶ多目的の意思決定問題を対象としていたが、無限個の選択肢すなわち実数値をとる選択肢を対象とする問題に適用できるように、進化型計算を利用して拡張を行った。
|