2009 Fiscal Year Annual Research Report
多層化・構造化皮膚モデルの開発と3次元血管構造探索
Project/Area Number |
20560391
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
相津 佳永 Muroran Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (20212350)
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Keywords | 可視化 / 計測工学 / 生体計測 / 分光計測 / 皮膚科学 |
Research Abstract |
代表的な生活習慣病である糖尿病患者の予防・抑制・治療には,血糖値計測とインシュリン投与を日常的に安全確実に行う手段が不可欠である.このため3次元血管位置計測が重要である.研究代表者らは,分光イメージングによる血管の深さ・径の計測法を提案し,皮下静脈奥行き探索への応用可能性を得てきた.本研究では,9層,表面凹凸,ならびに毛細血管をデザインした新規多層化・構造化皮膚モデルを構築し,高精度な生体皮膚血管の3次元構造探索技術の開発を目的とした. 1.平成20年度の研究成果に基づき光学パラメーターを設定し,多数の組合わせについての吸光度を,9層構造モンテカルロモデルによりシミュレーションした.波長を420,585,800nmに最適化した.これより様々な吸光度学習データが収集できた.モンテカルロシミュレーションは精度確保のため,1回の吸光度計算に1000万個の光子を用いた. 2.上記の作業で得られた大量の学習データサンプルを用いて3次までの非線形重回帰分析を実行し,測定した選択波長分の吸光度値(説明変数)から深さと径(目的変数)を推定するための回帰式を導出した.先行研究成果に鑑み,生体部位により皮膚構造が異なるため光伝搬の多様性を考慮し,新規試みとして代表的部位ごとに回帰式を用意した. 3.上記1.の学習データを活用して皮下血管の表面撮影画像における組織光散乱によるボケの度合いを,光学結像理論における点像分布関数を導入してガウス関数で定式化した.この関数を規定する分散値は対象血管の深さと径によって異なるため,これらの組合わせによる参照テーブル(Look-Up Table : LUT)を構成し,瞬時に数値処理できるように進めている.この作業は平成22年度前半にかけて継続する.
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Research Products
(4 results)