2010 Fiscal Year Annual Research Report
室温での安定動作を目指した脳深部温度無侵襲計測用マイクロ波ラジオメータシステム
Project/Area Number |
20560394
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
杉浦 敏文 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (20135239)
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Keywords | 新生児 / 脳低体温療法 / 脳保護 / マイクコ波 / ラジオメータ / 無侵襲 / 温度測定 / 脳深部温度 |
Research Abstract |
本年度の目標は、(1)新生児の脳内温度分布を模擬した安定な温度分布を有する温度分布ファントムを作製する、(2)温度分布ファントムを用いた温度測定実験をする、ことであった。 (1)に関しては、温度分布ファントムの中核をなす水槽の温度安定性を向上するために、水槽周囲に発泡スチロール等を使って熱絶縁対策を施し、実験室内の空調設備の風が水槽、アンテナ及び装置本体に直接当たらないようにした。さらに水槽水を加熱するヒーターの制御をより頻繁に調節することとした。同時に装置全体の配線の位置を再考し、電源ライン、信号ラインの分離をより明確にした。これらの改良を加えながら寒天、アクリル、水(水槽)から成る新生児脳内温度分布ファントムを作製した。 (2)に関しては、上記(1)で製作した温度分布ファントムを用いた温度測定実験をおこなった。参照用に10本の熱電対を縦に配置したものを製作してファントム内に挿入した。ただし、アンテナ直下はファントムから自然発生する極微弱熱雑音電磁波を散乱させてしまうので、アンテナ中心から約5cm横に離れた位置の深さ方向の温度を実測した。 以上の対策及び実験より、測定のprecision(精密度、安定度)は寒天表面(頭部表面を想定)から5cmの位置(新生児脳中心部)で約0.5℃となり昨年度(0.7℃)より向上することができた。しかしながら測定誤差は依然として約2℃(5cmの深さ)であった。この原因の一つの可能性として測定中にアンテナ表面に微小気泡が付着することが考えられるが、この対策にはファントムの構造が関係してくる為、今年度はこの気泡除去対策を施すまではできなかった。今後の課題である。
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Research Products
(2 results)