2008 Fiscal Year Annual Research Report
周波数掃引光を用いた分布増幅光ファイバ伝送路の離散多重散乱光干渉量測定法の研究
Project/Area Number |
20560395
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
相田 一夫 Shizuoka University, 工学部, 教授 (00311704)
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Keywords | 周波数掃引光 / 分布増幅伝送路 / 光ファイバ / 離散多重散乱光 |
Research Abstract |
強力な励起光をファイバ伝送路に注入しファイバ自体を分布ラマン増幅器とする方法は光伝送路損失を連続的に補償し低雑音化を可能とする。しかし、ファイバの二重レーリー散乱や劣化した光コネクタに起因する多重散乱光干渉量(MPI)が伝送路特性を制限するという新たな問題を引き起こすことが指摘されている。本課題は離散反射も含め、分布増幅ファイバ伝送路に発生するMPIを高感度・高確度で評価できる測定法を確立し、通信業者が伝送路施設後の調整や故障解析、メンテナンスに活用することを狙いとしている。 本方法では、電力が一定で直線性の高い周波数掃引光(試験信号光)の発生がキーとなっている。このため、ファイバループを用いた自己遅延ヘテロダイン干渉計による光周波数精密測定系を構築して、光源とするDFB-LDの周波数変調特性を精密評価し、変調特性モデル化の検討を進めた。その結果、変調周期が10〜数10μsでは、2次元の熱伝導モデルのパラメータフィッティングにより高精度にモデル化できるが、繰返しが数msと長周期になると精度が低下することがわかった。このためmsオーダーの試験光発生では、直線性改善のため変調電流の誤差補正が必要になっている。長周期にも有効な変調モデルの構築が今後の課題である。 エルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA)を用いた周波数掃引光電力の一定化法の検討を進めた。EDFA利得の飽和特性を利用することで、msオーダー周期の掃引光の電力変動を効果的に抑圧できることを実験で確認した(変調電流によりDFB-LD出力は1msで約1.6dB変動、一方、EDFA出力の変動は約0.2dB)。 複数のファンクションジェネレータを同期動作し、DFB-LDの変調信号と同期した制御パルスで光スイッチを駆動することで、試験光として必要な部分のみをDFB-LD光源から取り出せることを実験的に確認した。
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