2010 Fiscal Year Annual Research Report
周波数掃引光を用いた分布増幅光ファイバ伝送路の離散多重散乱光干渉量測定法の研究
Project/Area Number |
20560395
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
相田 一夫 静岡大学, 工学部, 教授 (00311704)
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Keywords | 周波数掃引光 / DFB-LD / 分布増幅光ファイバ伝送路 / MPI / 離散MPI / 二重レーリー散乱 / 多重反射 / 分布ラマン増幅 |
Research Abstract |
光伝送信号の超高速化に伴い、ファイバ自体を分布ラマン増幅器とする方式が導入され始めている。本方式は伝送路損失を連続的に補償し低雑音化を可能とするが、相反して二重レーリー散乱や励起光による光コネクタ劣化に起因する多重散乱光干渉量(MPI)が伝送路特性を制限するという新たな問題を引き起こしている。そこで、通信業者が伝送路施設後の調整や故障解析、メンテナンスへの活用を狙いとし、分布増幅ファイバ伝送路に発生するMPIの測定法について高感度化・高確度化を目指して下記の1-3の研究を進めた。 1. 周波数掃引光発生装置の高性能化:直線性が良い高速広帯域掃引周波数の発生が重要である。これまで考慮できなかった信号発生装置とDFB-LD間の接続コードとバイアス重畳回路の周波数特性を詳細に評価し、DFB-LD光源の周波数変調特性モデルに組込んだ。本改良モデルに基づきDFB-LDの変調特性を評価し、直線掃引用の駆動電流を算出した。この結果、掃引時間1.6msに亘り、掃引率4.1GHz/msで直線掃引からの最大偏差±2MHz(21年度±4MHz)以内の直線性に優れた直線掃引光を発生することができた。なお、当初計画した掃引率の大幅向上は、不要光をマスクする光スイッチの動作速度が対応できないことが判明したため断念した。 2. 提案MPI測定法の偏波無依存化の検討:偏波コントローラを介して試験光を試験伝送路に結合できるように実験系を改良した。伝送路ファイバ動かすと離散反射光の偏波状態が変化しビート出力電力が変化するものの、試験光偏波の調整により安定にビート電力を検出できることがわかった。 3. 実験伝送路によるMPI測定法の評価:試験光の直線性の改善により離散反射光に対応するビート出力電力が約2.5dB向上し、試験伝送路の-76dBの離散MPIをよりクリア(21年度実験との比較)に検出できた。
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