2008 Fiscal Year Annual Research Report
表面SH波を用いた残留応力分布測定による高経年構造物の健全性評価
Project/Area Number |
20560396
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
村田 頼信 Wakayama University, システム工学部, 准教授 (50283958)
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Keywords | 超音波 / 音弾性 / 表面SH波 / 残留応力 / 主応力差 / 主応力和 / 鉄鋼構造物 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
・測定安定度の改善 表面SH波音弾性法では非常に高精度な伝搬時間測定を必要とするため,僅かな測定誤差が応力値に大きな影響を与える.まず,測定者の違いによる測定の安定性について調べた.T形表面SH波センサを用いて,2人の測定者で複数の測定点をそれぞれ測定した結果,同じ位置を測定した応力値が測定の度に大きな差が生じた.この原因として,残留応力分布の大きい試料では,測定位置(探触子の設置位置)と測定方向(表面SH波の伝搬方向)が測定の度にずれることがわかった.そこで,位置・方向共に正確に合わせることが可能な治具にセンサを固定し,測定の安定性を向上できるよう改善した.その結果,この治具を用いることで,より高精度な測定が可能であることが実証された. ・表面直下の表面異方性の推定法の検討 T形表面SH波センサで測定した表面異方性の値から伝搬深さを求めるには,試験片の表面直下の表面異方性を正しく推定する必要がある,この推定手法として,周波数固定して異なる受信子間距離で表面異方性を測定し,この値を直線で結んで送・受信子間距離が0mmの位置(つまり,表面直下)まで外挿する方法を考案した.その結果,表面直下の表面異方性が推定可能となり,表面SH波の伝搬深さが受信子間距離と周波数に依存して変化することが明らかになった.
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