2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面SH波を用いた残留応力分布測定による高経年構造物の健全性評価
Project/Area Number |
20560396
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
村田 頼信 Wakayama University, システム工学部, 准教授 (50283958)
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Keywords | 超音波 / 音弾性 / 表面SH波 / 残留応力 / 主応力差 / 主応力和 / 鉄鋼構造物 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
・ T形表面SH波センサによる応力計測システムの自動化 T形表面SH波センサの固定治具にステッピングモーターを内蔵することによりSH波の伝搬方向のPC制御を検討した.その結果,応力(主応力差)計測時間の短縮化のみならず,伝搬方向の位置合わせ誤差が低減され測定安定度の改善につながった.また,センサ底面に耐摩耗性のポリイミド膜を貼り付けることによりセンサの耐久性を向上させた.一方,USBを介して高周波スイッチを制御することで信号ラインの切替えをPCで制御可能にする新たな装置を開発し,計測時間の短縮化に有用であることを実証した. ・ 各種圧延鋼鈑の表面異方性及び表面異方性の板厚方向分布の測定データ採取 構造用圧延鋼鈑として需要の高い軟鋼圧延鋼鈑(材質SS400)の中で板厚6~16mmの数種類を用いて,表面異方性の値およびその板厚方向変化率について実測データを収集した.6, 9, 12, 16mmのSS400鋼板を用いて,これらの試験片を研磨しながら表面異方性を測定し,研磨量と表面異方性の関係を調べた.その結果,研磨量が増加する,つまり表面SH波の伝搬深さが深くなるにつれて,表面異方性も変化していることが分かった.また,表面異方性および表面SH波音速の変化は板厚が厚くなるほど緩やかになり,板厚が12mm以上であれば変化が見られなかった.このことから,12mm以上の鋼板であれば研磨により表面の平滑化を行っても応力測定に影響がないことが明らかとなった.
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