2008 Fiscal Year Annual Research Report
数値最適化に基づくロバスト非線形制御系の設計法の構築
Project/Area Number |
20560420
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
増淵 泉 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (90283150)
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Keywords | ロバスト制御 / ゲインスケジュールド制御 / 線形行列不等式 / 非線形システム / 非線形制御 / 密度関数 / ロバスト半正定値計画 / 厳密性 |
Research Abstract |
数値最適化に基づくロバスト非線形制御系を目的として,本年度は以下の研究成果を得た. (1)ゲインスケジュールド(GS)制御系の設計法 ディスクリプタ形式による線形パラメータ変動(LPV)システムの表現法において,従来研究での制限を取り外し,これを活用してGS補償器を設計する方法を確立した(国際会議(IFAC)で発表).また新たに,従来法ではスケジューリングパラメータを直接微分する計算が必要であったGS補償器の設計法を改良し,観測値であるスケジューリングパラメータの微分を行うことなくGS補償器が設計でき,しかも性能保証を行えることを示した.これにより従来法の欠点を解決した.本年は基本的な結果を導出した(国際会議(IEEE NSC)等で発表). (2)非線形システムの解析と設計 密度関数を用いた非線形制御則の設計法として,入力の大きさの制限,正不変集合の指定,原点近傍で望ましい線形制御則と一致することによる制御性能の保証ができる設計法を開発した.また,逐次計算による制御則と正不変集合の求解アルゴリズムを検討した(これらを国内学会で発表). (3)制御系の解析・設計のためのロバスト半正定値計画問題の解法の開発 GS制御系の設計や非線形制御では,ある連続領域上の全ての点で成り立つ必要のある無限個の制約の下でのロバスト半正定値計画問題を解く必要がある.これを計算機で解くための有限個の制約を持つ上界緩和問題の厳密性の検証アルゴリズムとその性質を明らかにした(国内学会で発表).また,緩和問題の厳密性を改善するための領域分割やパラメータ依存マルチプライアの導入について検討を行った.
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