2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560421
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
若佐 裕治 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60263620)
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Keywords | 最適制御 / 双対分解 / 運動制御モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、複数の制御対象からなる全体システムに対して、階層的かつ分散的な最適制御の手法の研究を行うことである。とくに、最適化における分解手法を制御問題に応用することを試みる。これによって、大規模制御問題を小規模の部分問題に分解し、各制御対象における負荷の低い計算と制御対象間の負荷の低い通信で実現できる制御系が構築される。また、運動制御モデルとの関連を考察し、その応用を試みる。本年度の研究成果は、以下のとおりである。(1)大規模最適化問題の分解手法の一つである主分解を用いて、複数のサブシステムの状態が共通点に収束する制御問題(コンセンサス問題)を分散的に解く制御アルゴリズムを提案した。情報交換は隣接するサブシステム間のみで行われるにも関わらず、全体のシステムが制御されるのが特徴である。この結果をSICE Journal of Control, Measurement, and System Integrationにて公表した。(2)状態のコンセンサス問題の枠組みを発展させ、より一般的な出力コンセンサス問題に対しても(1)と同様の手法を利用できることを示した。この結果を第11回IEEE広島支部学生シンポジウムにて指導学生が発表した。(3)運動制御モデルへの応用のために構築した形状記憶合金アクチュエータによる実験装置に対して、システムの解析および制御法の検討を行った。
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