2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560421
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
若佐 裕治 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60263620)
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Keywords | 最適制御 / 双対分解 / 運動制御モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、複数の制御対象からなる全体システムに対して、階層的かつ分散的な最適制御の手法の研究を行うことである。とくに、最適化における分解手法を制御問題に応用することを試みる。これによって、大規模制御問題を小規模の部分問題に分解し、各制御対象における負荷の低い計算と制御対象間の負荷の低い通信で実現できる制御系が構築される。また、運動制御モデルとの関連を考察し、その応用を試みる。本年度の研究成果は、以下のとおりである。 (1)大規模最適化問題の分解手法の一つである双対分解を用いて、複数のサブシステムの状態が共通点に収束する制御問題(コンセンサス問題)を分散的に解く制御アルゴリズムを提案した。情報交換は隣接するサブシステム間のみで行われるにも関わらず、全体のシステムが制御されるのが特徴である。この結果を学術論文にまとめた。International Journal of Innovative Computing, Information and Controlに掲載予定である。 (2)双対分解、あるいは主分解による分散的アルゴリズムは、一般にサブシステム間の通信負荷が大きい。そこで、双対分解と主分解を同時に実行することによって、アルゴリズムの収束性を保証しつつ、計算負荷を低減する方法を提案した。この結果を国際会議2010 IEEE International Conference on Control Applicationsで発表し、また、学術論文としてまとめ、SICE Journal of Control, Measurement, and System Integrationに掲載予定である。 (3)双対分解のもつ階層性と分散処理を脊髄を中心とした運動制御システムに対応させ、計算論的アプローチによる新たな運動制御モデルを提案し、国内会議等で発表した。
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