2011 Fiscal Year Annual Research Report
コストと耐久性を考慮した中規模木橋の標準設計手法の開発とその評価
Project/Area Number |
20560436
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 浩 福岡大学, 工学部, 准教授 (60244109)
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Keywords | 木橋 / 劣化 / 耐久性 / 木材利用 |
Research Abstract |
全長2mの片持ちはり式試験体を8体製作し、うち4体を室内で、残りの4体を屋外で長期載荷試験を実施した。小さい試験体でも接合部に設計荷重を作用させるために方持ちはり式の試験体とし、固定部の引張側にM16ボルト1本を配置した。圧縮側には鋼板を貼り付け、面接触させることでめり込み変位が生じないようにした。試験体は異等級対称のスギ集成材とし、ボルト孔付近にはジョイントや節を有しないものとした。試験体は木橋の架設実績とともに大学等の研究機関にも試験体を納入している鹿児島県の集成材メーカーで製作した。早期の劣化はむしろ歓迎であることから防腐薬剤の加圧注入当の積極的な耐久性向上策は採らなかった。ただし、ボルトや接合材のサビによる影響を排除するため、これらには亜鉛メッキを施した。試験体の自重に加え、不足分として先端に調整したおもりを常時載荷することで、引張側ボルトに設計耐力を作用させた。測定では気温と湿度を常時測定するとともに、2~4週間毎に目視診断と接合部の変位を測定した。また、接合部の劣化状況の変化を詳細に把握するため、一旦除荷してピン打ち込み深さ、穿孔抵抗値測定等を行った。 これまでの試験により、屋内の試験体では変位はほとんど生じないものの、屋外の試験体では接合部の変位がわずかではあるが徐々に大きくなることがわかった。屋外の試験体の詳細調査から接合部の異常は特には見られなかったが、ボアホールカメラによる観察より、ボルト内部にカビが発生しており、この水分の侵入が変位の原因となっていることが考えられる。 また、これらの成果を実際の橋梁等の設計に生かすための方策について検討を行った。その結果、ボルト接合部の隙間部を樹脂により充填する方法が好ましいこと等が明らかになった。
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Research Products
(4 results)