2008 Fiscal Year Annual Research Report
腐食環境を考慮可能な時空間統計モデルを用いた構造物の経年劣化シミュレータの開発
Project/Area Number |
20560444
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貝沼 重信 Kyushu University, 工学研究院, 准教授 (00262874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押川 渡 琉球大学, 工学研究科, 准教授 (80224228)
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Keywords | 大気暴露試験 / 鋼板 / 腐食センサ / 時空間統計量 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究では,様々な腐食環境を考慮可能な実用に耐えうる構造物の経年劣化シミュレータを開発することを目的とする.そのために,構造物の各部材・部位における経時的な腐食挙動と腐食環境の相関関係を定量化する.その関係を過去に構築した時空間統計モデルに導入することで,腐食環境を考慮できる新しい時空間統計モデルを構築する.また,シミュレータを構造物の整備・維持管理へ適用する方法についても検討する. 平成20年度には,経時的な腐食挙動の空間統計量と腐食環境の相関関係の定式化を目的として,以下を行った. (1)大気暴露環境における経時的な腐食挙動の時空間統計量の把握 実施中の大気暴露試験(沖縄(海岸部))と追加実施する暴露試験(福岡(内陸部))から得られる部位・部材モデルの腐食試験体を時空間統計解析する.この結果から,経時的な腐食挙動の時空間統計量を明らかにした. (2)センサ出力を用いた腐食環境評価手法の構築 様々な部位・部材モデルの大気暴露試験から得られるセンサ(腐食電流,温・湿度)の常時モニタリング出力を解析した.この解析結果に基づき,環境パラメータ(塩化物,温渡,湿度,降雨,結露)から腐食環境を評価する手法を構築した.ここでは,センサの出力特性の解釈や腐食電流の分析に際して,電気化学や金属表面工学などの分野について高度な専門知識が必要になるため,分担者(本センサの開発者)が担当した.
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