2010 Fiscal Year Annual Research Report
定量的・客観的さび外観評価による耐候性鋼橋梁のミクロ・マクロ劣化環境評価
Project/Area Number |
20560446
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森田 千尋 長崎大学, 生産科学研究科, 准教授 (60230124)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 浩 長崎大学, 工学部, 教授 (20157324)
奥松 俊博 長崎大学, 工学部, 准教授 (30346928)
|
Keywords | 維持管理 / 耐候性鋼橋梁 / さび外観評価 / 劣化環境評価 / 三次元写真計測 |
Research Abstract |
本研究においては,ACMセンサーと温湿度計をいくつかの耐候性鋼橋梁に設置し,さびの生成状況とミクロ的な腐食環境との相関を定量的に評価する。さびの生成状況の定量的・客観的な外観評価は,三次元写真計測システムを用いた計測方法を適用し,実橋梁に対応した計測方法を検討するのが本研究の目的である。最終年度である本年度は,昨年度までの結果を踏まえ,次の2つの研究を並行して進め,最終結果をまとめた。 (1)架設環境の異なる橋梁の腐食環境の把握 山間部にある耐候性鋼橋梁と海水流路上にある耐候性鋼橋梁において,ACMセンサーおよび温湿度計を設置し,さらに,表面塩分計を用いた計測を行った。ACMセンサーと温湿度計による2年間の計測により得られた結果を用いて腐食速度を計算した結果,海水流路上の橋梁の腐食速度は概ね小さな値であったが,山間部にある橋梁の腐食速度はG4桁では大きな値となった。実際の橋梁においてもG4桁の腐食状況が悪く,ACMセンサーと温湿度計による計測により,腐食状況を把握できることが確認できた。 (2)実橋梁における腐食環境とさび外観評価の相関性 上記の2橋梁において,部位別に三次元写真計測システムを適用し,さび外観評価を行った。海水流路上にある橋梁においては,どの部位においても表面粗さは小さな値であり,健全であるという結果であった。しかしながら,山間部にある橋梁のG4桁においては,表面粗さの値は大きく,何らかの対策が必要であることが確認できた。これらは実際の橋梁の腐食状況とも一致しており,三次元写真計測システムの実橋梁への適用性が実証された。 以上により,定量的・客観的さび外観評価手法を検討し,耐候性鋼橋梁のミクロ・マクロ劣化環境を評価できた。
|